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2019.07.05

認知症、笑顔のままで 松阪市認知症市民講演会2019 参加してみて

 

先日、松阪市で開催されました認知症市民講演会に参加してきました。

今回は若年性認知症当事者の方と支援者の方のお話が聞けるとのことで期待を寄せて参加しました。

 

そういえば昨年、ヒロインが若年性認知症を発症するというテレビドラマが話題になりましたね。
実はわたしも視聴者の一人で、毎回ハラハラしながら見ていました。(松阪市:竹上市長の奥様も見られていたそうです)
病気の怖さだけではなく、若年性認知症と共に歩まれているヒロインやその周りをとりまく人の心情や生活にとても感動し、またこんな風にテレビドラマに取り上げられたことで若年性認知症についての認知も上がるのかなとも思っていました。

 

高齢者の4人に1人が認知症を発症またはその予備軍と言われています。
身近な家族や親戚、近所の方にも心当たりのある方はいるのではないでしょうか。
私も同居している祖母が認知症を発症しています。今年で98歳になるので、認知症を発症していない方が稀なことでしょう。
運動機能も加齢とともに低下しているので普段はベッドの上で過ごして、何か用事があるときに家族を呼びます。
しかし呼ばれて行ってはみるが「呼んでへんよー。」「もう起きやなあかんやろ(真夜中0:00)」「呼んだだけ、おおきに。」などの返答は日常茶飯事です。夜中に20分間隔に呼ばれて、用事がないということもたまにあります。
頭では理解しているのですが、こんなときどうすればいいのか、また睡眠時間が削られてくると余裕を持てない時がどうしてもあります。こんな風にすぐそばに認知症患者がいるので講演会の内容は全く他人事とは思えませんでした。

 

若年性認知症当事者である山田さんが、どのように認知症に気づいたのかまたそこから周りの方の支えがあって生活されているのか、一つ一つがとても勉強になりました。またそんな中で印象に残っている言葉があります。

山田さん「認知症患者の方と付き合うのは大変だとは思うけど怒らないでほしい、
せかさないでほしい、ちょっとしたことに不便さを感じていることなど知ってほしい」

支援者鬼頭さん「我々は今が何時で、ここがどこで、なぜここにいるのか何をしているのかを理解できている。
だからこうやって落ち着いて講演会の話も聞けます。
でもそれが分からない、認知症の方だったらもっと焦ったり不安になったり落ち着いていられないんじゃないですか。」

認知症の方がどんな風に感じているのか、全てを理解することはできませんがそれでもこのお二人の言葉で理解はより深まり、自分の祖母と重ねて腑に落ちた気がしました。

 

また鬼頭さんが活動されている名古屋市のあゆみの会さんでは、認知症当事者の方がしたいことを実現されている活動を教えてもらいました。
例えば、野球が大好きな男性の希望により、中学校野球部とのソフトボール交流が行われたそうです。
それまでこの中学生の子たちは認知症の方に関わったこともなかったんですが、
「野球が好き」という共通点によって当事者の方との距離が縮まったそうです。
また認知症の方でも野球がしやすいように、ベースまで走るコースに矢印を引いたりなどの工夫を部員の子たちが自発的に用意してくれたそうです。
実際に交流して、理解して、自分たちにできることを考えそれを実行する、
シンプルにも感じますが実行できることは少ないのではないでしょうか。
相手をきちんと理解してできることから始める、認知症の方に限らず人と人とのかかわりにはすごく大事なことだなと感じました。

 

誰でも起こり得る認知症。だからこそ誰もが過ごしやすい地域にするには、もっともっといろんな年代、職業などの幅広い方々が認知症について理解が必要だと感じた講演会でした。
各地域もこのような講演会を含めた認知症推進活動が行われています。
多くの方が参加して、やさしいまちづくりの意識が広がってくれるといいなと思います。

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