糖尿病教室〜運動教室〜〈松本クリニック〉 取材:松本
6人に一人が糖尿病と言われており、患者数は過去最多の328万人超に増加しているとのこと。(厚生労働省:2017年患者調査結果)
身の回りにも、糖尿病治療を行なっている方がいるのではないでしょうか。
糖尿病は一度発症すると完全に治ることはありません。
しかし自身の状態にあわせて治療を継続しうまく糖尿病と付き合っていくことで
健康な人と変わらない生活を送ることができます。
糖尿病治療の3本柱
*食事
*運動
*お薬
この中でも、食事・運動は患者の日々の生活で継続して行う必要があり
生活習慣の改善が何よりも重要です。
そこで県内でも数少ない糖尿病内科を専門に診療されている松本クリニックさんでは
糖尿病治療を行う患者向けの教室を開催し、治療を推進する糖尿病教室を開催されているとお聞きし取材に行って来ました。
(取材協力)
医療法人松徳会 松本クリニック
松阪市駅部田1619-2
TEL0598-26-3555
7月は運動療法に注目した運動教室。
講師は理学療法士の先生をお迎えしていました。
講師:医療法人松徳会 花の丘病院
リハビリテーション科 館友基理学療法士
今回のテーマは「運度による血糖値の変化を見てみよう!」
10分ほどの簡単な運動を行い、そしてその前後に血糖値を計測し
その変化を体験する内容でした。
まずは測定器を用いて、血糖値を測ります。
〜血糖値の測り方〜(機器によって方法は変わります)
①穿刺器具のダイヤルを回し、指に針を刺す深さを調整する。
②機器に針を差し込み、指先に押し当て針を刺す。
*自力で押すのではなく、ボタンを押すだけなので力をそんなにいりません!
③針を刺した痕から測定に必要な血液量を出す。
*ごま粒よりもすこし多いくらい!
④センサーを取り付けた測定器を用いてセンサーに血液を触れさせる。
⑤すばやい時間で結果はが表示。
参加者の方々の中には、普段から治療の一環として自分で血糖値を測定されている方もみえて
慣れた手つきで測定されていました。
血糖値を測り終えたら、今度は運動!
運動にも種類がありますが効果的なのは「有酸素運動」
そして運動するタイミングは食後約1時間後が効果的だそうです。
◎糖尿病豆知識
Q.食後約1時間とは、いつからを目安にしたらいい?
A.個人差はあるが、定義上では"食事を食べ始めてから”が目安。
今回の教室では有酸素運動と次に効果的である筋トレを組み合わせた運動を紹介されていました。
●運動メニュー
・つま先立ち
・スクワット
・足ふみ体操
・ラジオ体操
休憩も含めて合計10分
「すべて、1㎡くらいのスペースがあればできる運動なので
天気が悪い日でも家の中で簡単に運動ができます!」と館理学療法士。
みんなで運動した後は、最後の血糖値測定。
結果は運動前よりも数値が下がった方もいれば、上がった方もいらっしゃいました。
食事の時間なども関係するので個人差があるらしいのですが、
運動自体が無酸素運動になってしまっていると逆に血糖値は上がる可能性もあるとのこと!
〈無酸素運動・有酸素運動〉
運動による負荷が「きつい」と感じてしまうと無酸素運動になり、
「楽〜ややきつい」程度が有酸素運動だそうです。
頑張って負荷がかかり、呼吸なども止めて運動してしますと無酸素運動になるので効果ダウンに。
ややきつい程度の運動を繰り返しすことで血糖値を平均的に下げていくことができるので
やはり日々の積み重ねが大事だそうです!
このような教室を開催しているところは珍しいようで、専門のクリニックならではとのこと。
また松本クリニックさんでは運動療法の重要性を考慮し、
普段からも週に4回、理学療法士がクリニックに迎えて運動指導・ヒアリングを行なっているそうです。
(右)松本クリニック 糖尿病内科医長 松本和隆医師
雨が多く運動しにくい時期ではあるのですが、
季節柄、お菓子やアイスなどを食べる患者さんが多いです。
そのぶん、よりしっかり運動して欲しいという願いが強くあります。
血糖値が上昇すると筋肉は減少する恐れがあり、糖尿病患者の方は
転倒するリスクが高いです。転倒してもし怪我をしてしまうと、
医療費などもさらにかさんでしまうので、しっかり運動!そして生き生きと過ごして欲しいです。
(左)館理学療法士
おかげさまで、いつもほぼ満員の参加者の方がいらっしゃいます。
「運動して」という指導だけではなく、細かい部分まで直接指導できるのは
治療にとっても大きなことだと感じています。
〜取材後記〜
実は松本クリニックさんのご好意で、松本も自分で機器を使って血糖値を測定させてもらいました!
手順は少しありますが、慣れれば本当に簡単に測定できると感じました。
また教えていただいた中で、「頑張りすぎて無酸素運動になることがある」ということに驚きました。
ついつい張り切ってしまいがちですが、すこし負荷がある程度で継続して行うことのほうが重要なんですね。
なかなか理学療法士さんに直接指導してもらうことはないので、貴重な機会ですね。
松本クリニックさんでは毎回内容を変えて教室を開催されているそうです。
教室で学んだことを生活の中に取り入れてもらい、生き生きと過ごしていただきたいです。