患者さんに合う治療法を追い求めて
昨年11月、松阪市船江町に新しく開院された「松阪にしむら整形外科」の西村先生に三重大医学部の学生がお話を伺ってきました。
医師になろうと思われたきっかけは何ですか?
幼いころは体が弱くて松阪の病院によく通っていました。特に小学2年生までは病弱で点滴も打ってもらってました。そこの先生と自分も医者になるという約束をしたんです。親も医者になるのを勧めていたこともあって、半分洗脳みたいな感じかな(笑)。親が医者ってわけじゃないんだけどね。
でも中学校では成績が伴っていなかったこともあって一旦は忘れていたんです。だけど大学受験が近づくにつれて進路を考えるようになって、僕は理系だったので工学部とかも考えたんですが、自分がサラリーマンとして働く姿がイメージできませんでした。でもそういえば医者になる約束をしたなって思い出して医学部を志望しました。高校に入ってからは成績も伸びて、浪人してもいいかなって考えてたんだけど、現役で何とか受かっちゃって(笑)。
整形外科医になられた理由は何ですか?
もともと僕は地元が三重県なので、浜松医科大学を卒業後は三重に帰ってこようと思っていました。当時は内科と外科が志望科でしたが、研修で自分に合ってるのは整形外科だと思ったんです。人の生死はもちろん大切なことだけど、人がどう幸せに生きるかっていうもの大切だと思います。整形外科は命に関わることはほとんどないですが、生きているのに痛いっていうのは本当につらいことです。そういうのを治療できるっていうのはいい仕事だと思います。
整形外科で難しいのはどのようなことですか?
整形疾患は数値で表せる明確な診断基準はほとんどありません。臨床的によく遭遇する疾患である腰椎椎間板ヘルニアにおいても、画像診断で正常から何ミリ突出していたらヘルニアであるといった基準は設けられていません。ですので、ごくわずかな画像変化だけでヘルニアと診断を受けてその病名に悩まされている患者さんをたくさん目にします。
現在の医学教育では、まず診断をして(病名をつけて)治療を行うのが通常の流れと思われますが、整形外科領域においてはその治療形態が必ずしも正しくはないと思っています。というのも病名で考えるよりも、体のどの部位が痛みの原因となっているかを考えて治療してあげる方が上手くいく場合も多いからです。もちろん、骨粗鬆症や痛風など診断基準に基づいて診断し治療する方が良い疾患もありますので、患者さんの病状、病態をよくみて治療していくことが大切と考えます。
この医院の特徴はなんですか?
広いリハビリ施設があるところですね。病院とクリニックの架け橋となるような医院にしたいと思っています。自分の周りの人はみんな幸せになってほしいんです。痛みが完全に消えることはないかもしれない。それでも人生を今よりもっと楽しく生きることはできると思うんです。僕はそういう方法も患者さんと一緒に考えていきたいですね。
最後に患者さんにメッセージがあればお願いします。
明るくきれいな医院です。痛みがある方、体調が悪い方、みなさん来てください!
【インタビュアー:三重大学医学部医学学科2年 小林大貴さん】
兵庫県出身で現在は大学の近くで一人暮らしをしています。今回は、三重大生が運営する団体FORTUNEの活動の一環としてインタビューさせていただきました。
幼い頃はヤンチャでお調子者だったのでよく怪我もしました。骨折も5回ほどしており、そのうち1回は少し大きな骨折で緊急手術で10針縫いました。何度も整形外科にお世話になっているうちに自分の将来の夢も漠然と整形外科医になっていました。
実際に開院された西村先生のお話はとても興味深く、授業では知ることができない世界を垣間見ることができたように思います。
開院直後の大変お忙しい中お時間を割いていただき本当にありがとうございました。
松阪にしむら整形外科
診療科目:整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科
〒515−0812 松阪市船江町519−1
TEL 0598−23−3866