歯科・口腔からはじめるアンチエイジング Vol .13
紅葉が進み、さらに木枯らしの季節の到来、ドラッグストアの店頭でも季節の移ろいを感じます。
これから冬に向かい、手指の乾燥を防ぐハンドクリーム、ハンドジェルや身体を温める入浴剤などがスペースを広げてディスプレイされています。
お買い物をするときは何を買うにせよ、手に取って成分と価格のバランスを比較して選ぶことが多いと思いますが、私もやはり、ハンドクリームなら保湿効果と使用感、香りと価格を吟味して成分を確かめています。
歯磨き剤も同じように、たくさんの効能が店内のポップにうたわれていたり、パッケージに書いてあったりします。そこで皆さんの歯磨き剤に求める効果と、それぞれの効果に対する有効成分とを関連付けてみたいと思います。
歯科医院では、歯科医師と、口腔内ケアのプロフェッショナルである歯科衛生士が、あなたの希望とあなたの口腔内の状況に合わせて最も効果のある歯磨き剤をチョイスしてくれるので、ご相談されるのが一番の早道ですが、患者様からも歯磨き剤に関しての質問や希望があると歯科医院側でのさらに良い選択にもつながるので情報提供してみたいと思います。
歯磨き剤の選択肢について、求めるものと選択基準は6つありあす。
今回はこの中でも、歯科の二大疾患である
1.虫歯予防効果
と
2.歯周病予防、緩和効果
についてご紹介します。
フッ素は歯磨き剤の配合成分で、歯磨き剤の9割のものにその記載があります。
フッ素の配合濃度と効果は相関関係があります。
歯の表面のエナメル質や象牙質の脱灰を防いで再石灰化を促し、歯質の保護修復に役立つのがフッ素です。
フッ素含有と書かれている歯磨き剤は多いですがフッ素は、フッ化ナトリウム(NaF)あるいは、モノフルオロリン酸ナトリウムと記載されていると信頼性が高いことも参考にしてください。
高濃度のフッ素含有量は、NaF(フッ化ナトリウム)が最高で1500ppm(6歳未満は不可)です。
ただし、6歳未満はフッ素濃度がNaF1000ppmを超えるものは使用しないことと、3歳から5歳までのフッ素含有量はNaF500ppmの使用を厚生労働省では推奨しています。
歯質強化のための成分としてハイドロオキシアパタイト配合や、加齢による歯根露出した歯根面の虫歯予防にはピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA)などもあります。
歯周病予防には、主に歯周病菌に対する抗菌効果のある成分を採用していることが多いです。
また、汚れを落としやすくするという意味で顆粒がはいったものがありますが、顆粒は歯周ポケットに残留しやすくかえって炎症を起こす原因にもなりかねないので避けた方がよいでしょう。
顆粒成分は主に、炭酸カルシウム、マイクロビーズ、無水ケイ酸の3種類ですので成分確認の参考にしてください。研磨剤無配合などの表示のあるものはこれらを使っていないと思われます。
歯磨き剤の選び方ナビゲートになりましたでしょうか?
次回は3.口臭防止、4.歯の色を白く保つ、5.リフレッシュ、リラックス効果、6.歯の知覚過敏改善についてお伝えします。
ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。