ひとりひとりに合った「はたらく」をみつける 連載第8回
令和3年3月から、民間企業の障害者法定雇用率が「2.2%」→「2.3%」へと引き上げられました。しかし、障害者の求職件数と就職件数の差は開いたままです。障害者の就職について、就労移行支援事業所「ジョブステーションマツサカ」の三村さんにお話をお伺いします。
読者の方からの質問
Q. 引きこもり支援施設で働きはじめました。引きこもりだからと言ってお金に困っていない子も多く、学校へ行く必要性や働く必要性がないと考えている子が多いことに驚きました。
そんな子たちへの社会とのつながりを持つことでサポートできることはありますか?
A. 2000年ごろから社会的な課題となっている引きこもり。数も年々増加しており、最近では引きこもりをしている方の中高年化も問題視されています。なぜ、引きこもりをするのか?少し辛辣に聞こえてしまうかもしれませんが、引きこもりの一番の大きな原因は家庭にあると感じています。
最近は過保護や過敏になり過剰な反応をする親が増えている話を聞きますが、そうなると子ども自身も学校や会社に通うことへ強い不安を感じるようになります。そして、先生や上司ではなく、なんでも親に報告しないと気が済まなくなります。するとどうなるでしょうか。自分で考える・自分で決める・自分で解決するということができなくなってしまうのです。
そんな方が大人になった時、自ら社会に進んでいくとは考えにくいですよね。
もちろん、今は”個”の時代とも呼ばれていて、集団生活などが重視されなくなりました。
しかし、それでも生活に関わる全てのことを一人で完結できているわけではありません。
現実問題、家庭や会社、地域などで誰かと関わりながら生活する必要があり、またその良さもあるのです。
その良さが軽視されていることにも、個人的には危機を感じています。
自分で考えることができなくなった子どもは、親の顔色を伺い自分の意見がなくなります。
自らが発している言葉だとしても、本当に本人が思っているのか、親が思わせているのかもわからなくなってしまいます。
そうすると今度は、「お母さんがこう言ったから」「家族がやめろと言ったから」という人のせいにする環境ができてしまうのです。このような悪循環を止めるのに必要なのは、「見守り」だと思っています。
子どもの成長をじっくり待ち、学校や会社での課題は過剰に反応しすぎずに先生や上司という第三者に委ねることも大事です。
子どもは普段の生活からいろんなことを吸収します。例えば外で遊んでいる中で、転んだり遊具から落ちるなど痛い思いや危険な経験をすることで、危ないというこを学びますし。雨の中でも歩いて通学することで、傘の持ち方や雨に濡れない方法など、どうしたら良いのかと考えます。「危ないから」「子どもを守るためだから」と言って、これらのものを全て排除してしまうのは良いことなのでしょうか。
引きこもりの原因と感じる問題は、学校・友達・仕事などそれぞれにあるかもしれません。しかし問題を感じている本人に対して、自分で考える場を提供し、見守り・サポートするのが我々の役目だと思います。
株式会社JSM
代表取締役
三村 作典さん
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